国民健康保険料削減
国民健康保険料の算定方法は、保険料をおさめる市区町村ごとにちがいます。
どの市区町村にも共通するのは、世帯単位で加入し、その保険料は、世帯単位の所得に連動して保険料が決定され、世帯主が支払うという点です。
個人事業主の場合は、確定申告をして、世帯の所得が決まれば、国民健康保険の保険料も連動して決定してしまうということです。
市区町村により、国民健康保険料も異なります。
国民健康保険の計算方法は、区役所等、お住まいの地域の国民健康保険窓口でわかりますし、計算してもらえます。
また、区役所等のホームページに計算方法が掲載されていますので、自分で計算できますし、簡易試算ができる市区町村のホームページもあります。
東京23区に在住の場合、5月くらいに「特別区民税・都民税 納税通知書兼納付書」が送付されてきます。
なお、国民健康保険料は住民税額が確定する6月に決定し、国民健康保険料額通知書を6月中旬に送付されます。
また、その保険料は4月から翌 年3月までの12か月分を、6月期から翌年3月期までの10回に分割した額で通知されます。
渋谷区のホームページに平成22年度の保険料計算の例が記載されていたので、転載します。
世帯主Aさん 45歳 22年度住民税額 265,500円
世帯員Bさん 39歳 22年度住民税額 0円
医療保険分
均等割額 31,200円×2人=62,400円
所得割額 265,500円×0.80=212,400円
後期高齢者支援金分
均等割額 8,700円×2人=17,400円
所得割額 265,500円×0.23=61,065円
介護保険料(40歳~64歳)
均等割額 12,000円×1名=12,000円
所得割額 265,500円×0.11=29,205円
年間保険料 394,470円
なお、東京23区では、医療保険分と後期高齢者支援金分は同じ所得割料率ですが、介護保険料の所得割料率が区により異なります。40歳から64歳まで介護保険分の保険料を徴収される世帯は、住んでいる区により相違がでます。
| 介護分所得割料率(H22) | 介護分所得割料率(H21) | |
|---|---|---|
| 千代田区 | 8/100 | 8/100 |
| 中央区 | 11/100 | 10/100 |
| 港区 | 11/100 | 10/100 |
| 新宿区 | H22/5/6時点未更新 | 16/100 |
| 文京区 | 12/100 | 11/100 |
| 台東区 | 18/100 | 17/100 |
| 墨田区 | 20/100 | 16/100 |
| 江東区 | 20/100 | 18/100 |
| 品川区 | 21/100 | 15/100 |
| 目黒区 | 13/100 | 11/100 |
| 大田区 | 12/100 | 11/100 |
| 世田谷区 | 19/100 | 25/100 |
| 渋谷区 | 11/100 | 11/100 |
| 中野区 | 18/100 | 15/100 |
| 杉並区 | 16/100 | 12/100 |
| 豊島区 | 19/100 | 18/100 |
| 北区 | 19/100 | 20/100 |
| 荒川区 | 22/100 | 22/100 |
| 板橋区 | 19/100 | 16/100 |
| 練馬区 | 23/100 | 13/100 |
| 足立区 | 20/100 | 19/100 |
| 葛飾区 | 21/100 | 16/100 |
| 江戸川区 | 23/100 | 17/100 |
東京23区(介護保険分は杉並区で設定)用 国民健康保険の簡易試算(H22年度用)
○東京23区の場合は、介護保険分の計算で相違で杉並区とは異なります。
○この試算では、端数処理などの計算、軽減措置の判定等は対応していません。
○年の途中で40歳又は65歳になる方は、介護分の算定額が試算とは異なる場合があります。
→ 引越による国民健康保険料の削減(東京23区)
→ 引越による国民健康保険料の削減(東京都下)
→ 青色申告による国民健康保険料の削減
東京23区は、住民税の合計額を基準(住民税方式)に国民健康保険の保険料を算定していましたが、ほとんどの市町村は、総所得金額を基に計算する「旧ただし書方式」で算定しています。保険料率が、自治体ごとに異なり、同じ所得金額でも保険料は大きくことなるので、各自治体のホームページ等で情報収集が必要です。
東京都福祉保健局で、都内の各自治体のデータがPDF形式で掲載されていますので、参考にしましょう。
また、東京23区で採用されている住民税方式が、住民税に対して所得割料率を掛けて計算するのに対し、旧ただし書方式は、総所得金額から基礎控除額33万円を引いた基準総所得金額に保険料率を掛けて計算します。旧ただし書方式は、国の税制改正の影響を受けにくいため、扶養控除等が廃止されても、国民健康保険料額には影響がありません。
ここでは、当事務所のある杉並区に隣接する三鷹市(平成22年度)の場合を例に、国民健康険料を計算してみます。
世帯主Aさん 45歳 22年度総所得金額3,670,000円 住民税額 265,500円
(前提 社会保険料控除 394,470円 基礎控除38万円 配偶者控除38万円 所得税額154,000円 調整控除額は無視)
世帯員Bさん 39歳 22年度総所得金額 0円 住民税額 0円
医療保険分
均等割額 23,000円×2人=46,000円
所得割額 (3,670,000-330,000)円×4.7%=156,980円
後期高齢者支援金分
均等割額 5,200円×2人=10,400円
所得割額 (3,670,000-330,000)円×1.2%=40,080円
介護保険料(40歳~64歳)
均等割額 11,800円×1名=11,800円
所得割額 (3,670,000-330,000)円×1.4%=46,760円
年間保険料 312,020円
三鷹市用の国民健康保険の簡易試算(H22年度用)
○この試算では、端数処理などの計算、軽減措置の判定等は対応していません。
○年の途中で40歳又は65歳になる方は、介護分の算定額が試算とは異なる場合があります。
→ 国民健康保険料の削減
→ 引越による国民健康保険料の削減(東京23区)
→ 引越による国民健康保険料の削減(東京都下)
→ 青色申告による国民健康保険料の削減
国民健康保険料の算定方法は、東京23区の採用する住民税方式や、ほとんどの市町村が採用する旧ただし書方式がありますが、いずれにせよ、総所得金額に連動して保険料が決まっています。
ということは、現在、白色申告で申告している個人事業主が、青色申告で申告し、青色申告特別控除額65万円の適用を受ければ、国民健康保険料も削減できます。
先ほどの三鷹市(平成22年度)の場合を例に、青色申告をした場合を例に、国民健康険料を計算してみます。
白色申告では、
世帯主Aさん 45歳 22年度総所得金額3,670,000円 住民税額 265,500円
(前提 社会保険料控除 394,470円 基礎控除38万円 配偶者控除38万円 所得税額154,000円 調整控除額は無視)
世帯員Bさん 39歳 22年度総所得金額 0円 住民税額 0円
青色申告をすると、総所得金額は65万減少します。
世帯主Aさん 45歳 22年度総所得金額3,020,000円 住民税額 200,500円
世帯員Bさん 39歳 22年度総所得金額 0円 住民税額 0円
住民税額も65万円×税率10%=65,000円削減になりますが、国民健康保険料も47,450円削減できます。つまり青色申告に切り替えるだけで、所得税額60,800円、住民税額65,000円、国民健康保険料47,450円の合計173,250円のコスト削減になります
医療保険分
均等割額 23,000円×2人=46,000円
所得割額 (3,020,000-330,000)円×4.7%=126,430円
後期高齢者支援金分
均等割額 5,200円×2人=10,400円
所得割額 (3,020,000-330,000)円×1.2%=32,280円
介護保険料(40歳~64歳)
均等割額 11,800円×1名=11,800円
所得割額 (3,02,000-330,000)円×1.4%=37,660円
年間保険料 312,020円 264,570円
三鷹市用の国民健康保険の簡易試算(H22年度用)
○この試算では、端数処理などの計算、軽減措置の判定等は対応していません。
○年の途中で40歳又は65歳になる方は、介護分の算定額が試算とは異なる場合があります。
→ 国民健康保険料の削減
→ 国民健康保険料の計算方法
→ 国民健康保険料の計算方法2
→ 青色申告による国民健康保険料の削減
市区町村の運営する国民健康保険以外に、医師、歯科医師、建設等の同種の業種、又は事務所に従事する者を組合員とする国民健康保険組合(国保組合)があります。
ただし、国民健康保険組合は加入資格が限定されますので、万人が加入できるわけではありません。例えば、資格別定額保険料の東京食品販売健康保険組合の加入資格は、食品業に従事し、店舗が東京都内にある個人事業主様と従業員様及びその家族の方に限定されていて、業種が異なる事業主は加入できません。
所得と関係なく保険料が定額の国保組合や、また加入者が若いなどの理由で、市区町村運営の国民健康保険より保険料の安い国保組合もあるようです。
例えば、加入資格を「日本国内に住所を有し、文芸、美術及び著作活動に従事し、かつ、組合加盟の各団体の会員である者とその家族」に加入資格を限定している文芸美術国民健康保険組合の平成22年度の保険料は、組合員一人月額14,300円(医療分12,300円 後期高齢者支援金分2,000円)、家族一人月額6,300円(医療分4,500円 後期高齢者支援金分2,000円)、介護保険料(満40歳から64歳までの被保険者)一人月額2,400円で、加入者の収入の多い少ないにかかわらず均等です。
東京の飲食業の方でしたら、「食品業に従事し、店舗が東京都内にある個人事業主様と従業員様及びその家族の方」で「東京都(島しょを除く)・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県および静岡県」に住んでいる方を対象にする東京食品販売健康保険組合があります。この国保組合も、加入者の収入の多い少ないにかかわらず定額なので、所得の高い方は検討してみると良いかもしれません。
このように、市区町村の運営する国民健康保険よりもメリットがあるため、2010年には、「全国建設工事業国民健康保険組合」で、実際には建設関係の職についていない元公務員、元教師などの無資格加入者が大量加入している事実(報道によると組合員の15%が無資格加入との事)が発覚し、問題になりました。報道によると、建設業とは関係のない民間会社や役所などを定年退職後、自治体の国保に加入することを回避するために、職業を偽って保険料の安い全国建設工事業国民健康保険組合に、偽装加入していたようです。
また、加入資格のない株式会社等の法人が、社会保険の事業主負担を逃れるために、個人事業書と偽ったり、会社を個人事業所に分割して申請したりして、不正に加入していたようです。国から補助金を得るために組合員数を増やしたい国保組合と、国民健康保険料や、社会保険の事業主負担を減らしたい偽装加入者との、双方の利益が一致したため、このような不正加入が横行していたようです。
なお、国保組合は、現在全国で165の国保組合が設立されていますので、保険料が高いと感じている方は、全国国民健康保険組合協会等のサイトで調べてみることをお勧めします。
また、ネットで「国保 削減 会社設立」などで検索すると、個人事業主が会社を別途設立し、会社で最低限の社会保険に加入するという手法がヒットします。確かに、役員報酬額を低額に抑え、会社で社会保険に加入すれば、会社負担分を考慮しても、国民健康保険料と国民年金の支払が削減できます。
ただこの手法は、個人事業主での確定申告にプラスして、会社の決算申告が必要になり、事務コストが大幅に増えます。その上、個人事業を廃業しない法人成りは、税務上のリスクに細心の注意をはらう必要があります。
