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年末調整事務の仕方

 給与の支払者は、毎月(日)の給与の支払の際に所定の「源泉徴収税額表」によって所得税の源泉徴収をすることになっていますが、その源泉徴収をした税額の1年間の合計額は、給与の支払を受ける人の年間の給与総額について納めなければならない税額(年税額)と一致しないのが通常です。

 この一致しない理由は、その人によって異なりますが、その主な理由としては、

1 源泉徴収税額表は、年間を通して毎月の給与の額に変動がないものとして作られているが、実際は年の中途で給与の額に変動があること、

2 年の中途で扶養親族等に異動があっても、その異動後の支払分から修正するだけで、さかのぼって各月の源泉徴収税額を修正することとされていないこと、

3 配偶者特別控除や生命保険料、損害保険料の控除などは、年末調整の際に控除することとされていること

などがあげられます。

 このような不一致を精算するため、1年間の給与総額が確定する年末にその年に納めるべき税額を正しく計算し、それまでに徴収した税額との過不足額を求め、その差額を徴収又は還付することが必要となります。この精算の手続を「年末調整」と呼んでいます。

(国税庁「年末調整の仕方」より抜粋)


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〔問1〕当社の営業課長Aは、本年10月31日に定年退職する予定になっていますが、就職先が決まっていないことから、当分の間、雇用保険の失業等給付を受ける予定です。
Aの再就職が決まっていないことから、当社としては、Aの在職中の給与について年末調整
を行いたいと思いますが、差し支えありませんか。


〔答〕年の中途で退職した人については、一定の場合を除き、年末調整の対象とはなりません。
なお、年の中途で退職した人のうち年末調整の対象となるのは、

①死亡により退職した人、
②著しい心身障害のために退職した人で、その退職の時期から本年中に再就職が不可能と認められ、かつ、退職後本年中に給与の支払を受けないこととなっている人、
③12月に支給期の到来する給与の支払を受けた後に退職した人、いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である人(退職後本年中に他の勤務先等から給与の支払を受けると見込まれる人を除きます。)
です。

  Aさんについては、上記からのいずれにも該当しませんので、Aさんの在職中の給与について年末調整を行うことはできません。

(注)失業等給付は非課税とされています。


〔問2〕当社の役員Aは、当社からの給与(支給総額1,500万円)以外に家賃収入があり、毎年確定申告をしています。Aから「毎年確定申告で精算しているから、私の分は年末調整しなくて結構です。」との申し出がありましたが、申し出のとおり取り扱って差し支えないでしょうか。


〔答〕「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人でその提出先から支払われる給与の総額が2,000万円以下の人については、年末調整を行わなければなりません。
 したがって、Aさんのように給与以外の所得があり確定申告をしなければならない人についても、その給与について年末調整をする必要があります。


〔問3〕当社の給与規程では、毎月1日から末日までの勤務実績を基に、翌月10日に給与を支給することになっています。したがって、12月中の勤務実績に基づく給与は翌年の1月10日に支給することになります。このような場合、年末調整の対象となる給与の総額には、翌年1月10日に支給する金額を含めるのでしょうか。


〔答〕年末調整は、本年中に支払の確定した給与、すなわち給与の支払を受ける人からみれば収入の確定した給与の総額について行います。この場合の収入の確定する日(収入すべき時期)は、契約又は慣習により支給日が定められている給与についてはその支給日、支給日が定められていない給与についてはその支給を受けた日をいいます。
 ご質問の場合、給与規程により支給日が定められていますので、翌年1月10日に支給する給与は、同日が収入の確定する日となり、本年の年末調整の対象とはなりません。


〔問4〕従業員から質問があったのですが、従業員が扶養している母親の収入の内訳が、①パート収入70万円、②遺族年金80万円である場合、扶養親族の判定上、この遺族年金はどのように取り扱われるのでしょうか。


〔答〕扶養親族や控除対象配偶者に該当するかどうかを判定する場合の合計所得金額には、所得税法やその他の法令の規定によって非課税とされる所得は含まれないことになっています。
 したがって、非課税所得である遺族年金を含めないところで扶養親族の判定をすることになりますから、Aさんの母親の場合はパート収入の70万円だけを基に判定することとなり、給与所得控除額65万円を控除した後の合計所得金額は5万円となりますので、扶養親族に該当することになります。


〔問5〕親族等が契約者となっている生命保険契約等の保険料又は掛金について、生命保険料控除の対象とすることができますか。


〔答〕控除の対象となる生命保険料は、給与の支払を受けている人自身が締結した生命保険契約等の保険料又は掛金だけに限らず、給与の支払を受ける人以外の人が締結したものの保険料又は掛金であっても、給与の支払を受ける人がその生命保険料を支払ったことが明らかであれば、控除の対象とすることができます。
  例えば、妻や子供が契約者となっている生命保険契約等であっても、その妻や子供に所得がなく、給与の支払を受ける夫がその保険料又は掛金を支払っている場合には、その保険料又は掛金は夫の生命保険料控除の対象となります。ただし、この場合にも、その生命保険契約等の保険金の受取人のすべてが給与の支払を受ける人又はその配偶者その他の親族(個人年金保険契約等である場合は、年金の受取人のすべてが給与の支払を受ける人又はその配偶者)でなければなりません。

(注)保険料を負担していない人が、満期や解約又は被保険者の死亡により、その生命保険金を受け取った場合、贈与税や相続税の対象となります。


〔問6〕従業員が、生計を一にする親の長寿医療制度の保険料を口座振替により支払った場合、年末調整で、その保険料を社会保険料控除の対象とすることができますか。


〔答〕従業員が口座振替により支払った、生計を一にする親の負担すべき長寿医療保険制度の保険料については、保険料を支払った従業員に社会保険料控除が適用されます。
  なお、年金から特別徴収(天引き)された保険料については、その保険料を支払った者は年金の受給者自身であるため、年金の受給者に社会保険料控除が適用されます。


〔問7〕当社では、12月分の給与を12月15日に支給し、その際に年末調整を終えました。その後、12月30日に従業員Aに子供が生まれました。この場合、Aはこの子供の扶養控除を本年分の所得税について受けることができるのでしょうか。


〔答〕控除の対象となる扶養親族は、その年の12月31日の現況で判定することになりますので、ご質問の場合には、本年分の所得税について扶養控除を受けることができます。
  ご質問の場合、年末調整が終わっているとのことですが、Aさんから「給与所得者の扶養控除等異動申告書」を提出してもらえば、翌年1月の「給与所得の源泉徴収票」を交付する時まで年末調整の再調整を行うことができます。


〔問8〕年末調整による超過税額が多かったので1月に納付する税額はありません。この場合、所得税徴収高計算書(納付書)は税務署に提出しなくてよいでしょうか。


〔答〕たとえ納付する税額がなくても、所得税徴収高計算書(納付書)は、所要事項を記入して翌月10日(その日が日曜日、祝日などの休日に当たる場合や土曜日に当たる場合にはその休日明けの日)までに税務署に提出してください。
 なお、納付税額がない所得税徴収高計算書(納付書)は金融機関で取り扱いませんので、所轄の税務署にe‐Tax 又は郵便若しくは信書便により送付又は提出するようお願いします。


(出典 国税庁「平成21年分 年末調整の仕方」81,82頁より転載複製)

注)国税庁ホームページの著作権については、適宜な引用・転載複製が可能とされており、本サイトでは転載する場合、出典を明示しております。


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扶養控除等申告書は、その年最初の給与の支払いを受ける日の前日までに会社に提出する事になっています。この申告書は、配偶者控除や扶養控除等の計算の基礎になる書類です。この申告書が提出されていない場合には、乙欄による源泉徴収が必要となり(提出されている場合に比べ、会社が徴収する源泉徴収税額が多くなります)、年末調整はできなくなります。

下記の記載例のように、赤丸の箇所は全員記入して、シャチハタ以外で押印してもらってください。緑丸の箇所は該当者のみ記入してもらってください。


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(クリックすると拡大します)


ご不明な点は、当事務所までお気軽にお問合せください。

→ 給与所得者の扶養控除等申告書の記載例
→ 保険料控除申告書の記載例

この申告書は生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、社会保険料控除を計算するために使用します。この申告書は、「給与所得者の配偶者特別控除申告書」との兼用用紙となっています。

証明書の添付が必要な控除がありますので、下記の証明書類の添付(用紙の裏面に糊づけして下さい)を確認してください。

・生命保険料控除証明書(一般用、個人年金用)
・地震保険料控除証明書
・国民年金保険料控除証明書
・小規模企業共済支払額証明書
・住宅取得資金の年末残高証明書(金融機関発行)
・住宅借入金等特別控除申告書(税務署発行)
・前職分の源泉徴収票

(国民健康保険については、証明書は不要です。1月から12月までに支払った金額を集計して記入して下さい)

下記の記載例を参考に、従業員本人に記入してもらい、シャチハタ以外で押印してもらってください。

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ご不明な点は、当事務所までお気軽にお問合せください。

→ 給与所得者の扶養控除等申告書の記載例
→ 保険料控除申告書の記載例